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9

「おい、起きろ秀護」
少し乱暴に秀護の肩を揺する。すると秀護はいきなり目を見開いた。
「ごめんなさい……って、太宰さん……」
目覚めるなり唐突に謝ってきた秀護。その時の顔は酷く怯えているようにみえた。ちょっと口調がキツかったのかも知れない。
「着いたぞ、お前が行きたがってた場所だ」
俺はそういって海に目を向ける。あの時盗んだ車で偶然出逢い、成り行きでこんな遠い所までやって来た俺達。
秀護も目線を海に移し感嘆の声をあげていた。
「ありがとう、太宰さん!」
そして再び俺を見つめると、いつもの笑顔を向けてくれた。
他人にお礼を言われたのは久しぶりだ。そう思うと、なんだか照れくさくなってしまった。
「お前、なんで此処に来たかったんだ?」
一度咳払いをして、俺は口を開いた。何故こんな何もないところに、子供一人で…
「…………」
それを聞くと、いつかと同じ様に口を閉じ、俯いてしまった。
「ここまで一緒に来たんだ。教えてくれよ」
質問。というよりお願いに近かった。そんな俺を見て秀護はボソボソと言葉を吐き出した。
「……お母さんに、会うため…」
「え?」
そこから、何度も言葉に詰まりながらも俺に全てを話してくれた。

秀護の家は三人家族だった。厳しくて、だけど頼れる父。優しく、温厚な母。そして秀護。友達も沢山いて、毎日が飽きなかったと言う。
だけど、二年前……両親が離婚した。どうやら父親の浮気が原因らしい。金を稼ぐ術が無かった母は親権を諦め実家に帰った。
その日から家には秀護と父。それと新しい母の三人で暮らし始めた。厳しかった父は怒るだけの存在になり、新しい母は料理も作れない。
だんだんと父の秀護に対する関心が無くなり、些細なことで激怒し、秀護に暴行をくわえた。新しい母は無関心だった……
秀護は殴られる度に謝り続けた「ごめんなさい」と…
そして今日、父と新しい母が旅行か何かで家に一人切りになった時、偶然ゴミ箱から手紙の束を発見した。
それは、すべて母からの手紙だった。秀護は一枚一枚、丁寧に全て読んだ。そこには秀護の身を案ずる内容ばかりが綴られていて、自然と涙が零れたらしい。
そして、あることに気が付いた。差出人の住所が、ある手紙を境に病院になっている事を…
秀護は直ぐに地図帳を広げて、その地域を探し出し、自らの貯金箱を叩き割り、家の金庫から数十万を取り出し、家を飛び出した。
街で適当な人に話し掛け、「ここに行きたい」と場所だけを伝え、お金を見せた。それが、俺の盗んだ車のオーナーだった。
ソイツは了解したと言って、一向に目的地まで連れて行ってくれずに、ただ観光ばかりしていたらしい。
そしていつの間にか眠ってしまい、目を醒ましたら俺がいたという訳だ。
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comment

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そういうことだったのですね…。

なんかベタベタストーリー&題材を生かせてないという俺のスキルの無さが段々と露呈し始めてますww

一応俺哲学を入れてるつもりなんですけどね(*´д`*)伝わってるかしら?
プロフィール

キイト

Author:キイト
名前 キイト(由来は特に無いです

性別 男性

年齢 二十歳以下です

これでもある球技で全国でてます。ちなみに主将。
唯一の自慢できることでした。

好きな物はバイクやゲーム。
最近ちょっとオタクに近づいてたりします。萌えー

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