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どこかで足が付いたのか、それとも通報されたのか。理由は分からなかったが、とにかく俺は逮捕された。
そして俺は三年という長い刑期を経て、執行猶予付きだがようやく釈放される事になった。
読み掛けの小説を閉じ、目の前に経っている看守にそれを差し出す。

「これ、面白いですよ。良かったら読んでみてください」

看守はひったくる様に小説を受け取ると、素早くページを何枚か捲る。そして小説を閉じて「考えておくよ」と言ってポケットの中に締まった。
俺は満面の笑顔を見せ、長い間お世話になった部屋に一礼をすると、外の世界へ足を進めた。とにかく。これで俺も自由の身だ。

「やっぱりシャバの空気は美味いぜ」

冷たい塀を出て、開口一番そんな事を言ってみる。刑務所と外の空気の違いなんて分からなかったが、よくテレビ等で訊いた覚えがあったので、前から言ってみたい言葉だった。
両手を空に向けて伸ばす。そして殆ど中身の入っていないリュックを背負うと、特に目的地も無く歩き出した。
前に住んでいたアパートはとうに契約は解除されているし、実家に帰ろうにも逮捕された時に親とは勘当しているからそれもできない。
―どうにかなるだろう。

そんな事を考えて歩を進める。いざとなったらまた空き巣にでも入ればいい。第一住む場所も働くアテもないから刑務所の中の方がマシだったかもしれない。
一応、長い刑期の中で職業訓練なんかを積んで来て、就職先も勧められたが断った。俺はあまり生産系の仕事は好きではなかったからだ。
いや、それより真面目に働こうという考えは元からなかった。一度味を占めてしまったら簡単には抜け出せないし、消えてしまった罪の意識は経った三年では元には戻らない。
俺は歩きながら辺りを観察していた。主にパチンコ屋やコンビニに停めてある車を重点的に見て回った。それはある考えからしている行動だった。
金も無いが家も無い。そんな時に車があれば、公園で段ボールを自宅にするよりはマシな生活が送れる筈だ。それに車は次々に乗り変えれば足が付きにくいだろうし、行動範囲が広がる。
前回の失敗点は狭いエリアで仕事を行なっていたからだと思う。だから第一に車を盗む事が重要だった。

何店目になるコンビニ。駐車場にはエンジンをつけっぱなしになっている白のセダンが一台。そして店内にはオーナーらしき人物が立ち読みをしていた。
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キイト

Author:キイト
名前 キイト(由来は特に無いです

性別 男性

年齢 二十歳以下です

これでもある球技で全国でてます。ちなみに主将。
唯一の自慢できることでした。

好きな物はバイクやゲーム。
最近ちょっとオタクに近づいてたりします。萌えー

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