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インターから再び車を走らせて既に二時間は経っていた。秀護は話疲れたのか瞼を閉じ寝息をたてている。
眠るまで俺達はどうでもいいことを話し続けた。俺の事が知りたいと言われた時は焦ったが、適当な設定をつけて返しておいた。勿論、今まで塀の向こうにいたとは言ってない。
ここまで走るとちらほらと目的地の地名が書かれた標識が見え始めていた。既に日は沈み、車のヘッドライトを点けて運転していた。
―そういや、なんでコイツはこんな所に行きたがったんだ?
秀護が示した目的地。あと一時間程で到着する所までやってきたが、本人の口からは未だに理由を聞いていない。
特に観光地でもない地域で、子供が好き好んで行くような場所ではない筈だった。いや、大人でも旅行先にする人は少ないだろう。
ではどうして?考えても考えても答えは出てこない。そう言えばコイツの事は何も知らない。
話すことと言えば学校の友達の事や、好きなテレビ番組の事だけ。家族や自分の事は一切口にしていなかった。
「起きたら聞いてみるか…」
色々俺の中で考えてはいるが、それは全て推測でしかなかった。何一つ本人には確認を取れていない。
そんな事を思っていると、ガソリンが残り僅かしか無いことに気が付いた。俺は給油するために差し掛かったインターに向かってハンドルを切った。


「いらっしゃいませー」
ガソリンスタンドに車を入れると、営業スマイルを浮かべながら大声を張り上げるバイトらしき店員。
その声に反応して山びこの様に他の店員も声を出す。
「レギュラー満タンで」
窓を開けて店員に伝える。そしてエンジンをきるとポケットからクシャクシャになった札を取り出す。
次第にガソリンの匂いが車内に立ち込める。この独特な匂いが俺は好きだった。
窓も拭き終わり、どうやら給油も終わったらしく、笑顔を浮かべながら店員が窓から話しかけてきた。
「失礼します。お会計は…」
俺は店員の言葉に耳を疑った。お金が足りない訳ではないが、その金額は明らかに俺が今まで知っている金額より遥かに高かった。
俺はお札を渡し、エンジンをかける。そして料金表を見ると、以前よりリッター数十円高くなっていた。
そう言えばカーラジオが暫定税率がどうとか言っていた気がする。やはり三年もの時間を刑務所で過ごすと色々なギャップを感じる。

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プロフィール

キイト

Author:キイト
名前 キイト(由来は特に無いです

性別 男性

年齢 二十歳以下です

これでもある球技で全国でてます。ちなみに主将。
唯一の自慢できることでした。

好きな物はバイクやゲーム。
最近ちょっとオタクに近づいてたりします。萌えー

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